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中村 博紀*; 早川 教*; 柴田 明裕*; 佐々 京平*; 山野 秀将; 久保 重信
Proceedings of 12th Japan-Korea Symposium on Nuclear Thermal Hydraulics and Safety (NTHAS12) (Internet), 7 Pages, 2022/10
デブリベッドの長期冷却性評価のため、本研究ではデブリベッドモジュールと連成させた3次元解析手法を開発した。連成解析により、浸漬型直接炉心冷却熱交換が稼働後に、ホットプレナムとコールドプレナムの間で冷却材の自然循環が4つの中間熱交換器を通じて確立されることを示した。デブリベッドに接したコールドプールは継続的に冷却され、自然循環だけなく、ホットプールとコールドプールを隔てる分離板を通じた熱伝達により冷却される。デブリベッドの温度分布に対するコアキャッチャ周辺の3次元流れの影響は現在の計算条件では20C程度であった。
山野 秀将; 久保 重信; 佐々 京平*; 柴田 明裕*; Hourcade, E.*; Dirat, J. F.*
Proceedings of 29th International Conference on Nuclear Engineering (ICONE 29) (Internet), 9 Pages, 2022/08
本論文は、短時間でコアキャッチャ上での燃料堆積を仮定して、様々な崩壊熱除去系(DHRS)運転条件でのデブリベッドの冷却性評価を記述する。評価は、1次元プラント動特性解析コードSuper-COPDで実施した。冷却性評価では、DHRS1系統さえ稼働されれば、現設計は、コアキャッチャ周辺の十分な自然循環流によってデブリベッドの冷却性は確保できることを示した。悲観的な条件での感度解析では、短時間でコアキャッチャ上にほとんどの燃料が堆積したとしても、改善されたDHRSの少なくとも1系統あれば、デブリベッドは冷却可能であることを示した。
松尾 英治*; 佐々 京平*; 小山 和也*; 山野 秀将; 久保 重信; Hourcade, E.*; Bertrand, F.*; Marie, N.*; Bachrata, A.*; Dirat, J. F.*
Proceedings of 27th International Conference on Nuclear Engineering (ICONE-27) (Internet), 5 Pages, 2019/05
炉心損傷事故(CDA)時に炉心から排出される溶融燃料は、下部ナトリウムプレナムで燃料冷却材相互作用により固化した粒子デブリになり、そのデブリは、原子炉容器の下部にあるコアキャッチャー上にベッドを形成する可能性がある。デブリベッドの冷却性評価は、コアキャッチャーの設計に必要である。本研究の目的は、ASTRID設計のために、コアキャッチャー上のデブリベッドの冷却性を評価することである。この目的のための第一歩として、デブリベッドのみをモデル化することにより、短期間及び後期の間に形成されたデブリベッドの冷却性計算が実施された。したがって、コアキャッチャーの設計及び崩壊熱除去系の詳細は、本論文では述べていない。全ての計算において、デブリベッド近くの冷却材温度はパラメータである。計算ツールは、一次元プラント動特性解析コード、Super-COPDに組み込まれたデブリベッドモジュールである。その評価は、短期間及び後期の間に形成されたデブリベッドが、コールドプール中のコアキャッチャー近くの十分な冷却材流量を確保する設計により冷却可能となることを示している。
西村 聡*; 佐竹 正哲*; 西 義久*; 根本 義之; 加治 芳行
Proceedings of 27th International Conference on Nuclear Engineering (ICONE-27) (Internet), 8 Pages, 2019/05
使用済燃料プール(SFP)で冷却機能喪失事故あるいは冷却材喪失事故が発生した場合、使用済燃料の冷却性確保の観点から、SFPに注水してプール水位を維持する必要がある。本講演では、別途提案した空気中Zr酸化反応モデルを新たに組み込んだMAAPコード5.05ベータを使用してSFPを対象とした事故進展解析を実施し、SFPスプレイおよび代替注水実施時の燃料冷却効果を評価した結果について報告する。SFPスプレイの評価においては、崩壊熱、スプレイ水の燃料集合体にかかる割合、スプレイ水滴の直径、スプレイ開始時間を解析パラメータとして用いた。使用後4ヶ月冷却した燃料を格納したSFPに、12.5kg/s (200GPM)のスプレイをSFP冷却水喪失後4時間後から使用し、その際のスプレイ水の30%が燃料集合体にかかると想定した場合、燃料被覆管の最高温度は1000K以下に抑えることができ、被覆管の破損が防げることが示された。
松本 俊慶; 川部 隆平; 杉山 智之; 丸山 結
Proceedings of 10th Japan-Korea Symposium on Nuclear Thermal Hydraulics and Safety (NTHAS-10) (USB Flash Drive), 9 Pages, 2016/11
シビアアクシデント時に溶融炉心が圧力容器外に放出される場合の格納容器破損防止対策として、事前注水や格納容器スプレイによりペデスタルやキャビティに予め水を張ることが考えられている。このときの燃料デブリ冷却性を評価するため、JASMINEコードの溶融炉心挙動モデルを改良した。溶融炉心がジェット状に水中に落下する際、水との相互作用により粒子状のデブリを放出する(ブレークアップ)。冷却性に影響を及ぼすデブリ粒径分布の取り扱いを改良し、スウェーデン王立工科大学(KTH)で実施されたジェットブレークアップ実験DEFOR-Aの解析を行い、実験結果と比較した。また、溶融ジェットが床面に到達するとメルトプールを形成し、水平方向に広がる。冷却性評価で重要となる広がり面積を評価するため、クラスト形成モデル等を導入し、同じくKTHで実施されたメルト広がり実験PULiMSの解析を行い、実験結果と比較した。両現象の評価精度の向上に向けて、さらなる改良点を検討した。
杉山 智之; 更田 豊志
IAEA-TECDOC-1320, p.102 - 110, 2002/11
燃料棒被覆管表面の酸化が、反応度事故条件下における燃料棒の冷却性に及ぼす影響について論ずる。NSRR実験では照射済燃料実験の方が、未照射燃料実験より低い被覆管表面温度を示してきた。その原因の一つとして、照射済燃料の被覆管外表面に生成されていた酸化膜が伝熱を増大させた可能性が挙げられた。この仮説を実証するため、表面酸化膜なし,酸化膜厚さ1m及び10mの3種類の燃料棒を用いてパルス照射実験を行った。被覆管表面温度の過渡測定より、酸化膜付被覆管では限界熱流束及び最小熱流束がともに増大することを明らかにした。これらの挙動において酸化膜厚さ1mと10mの燃料棒で顕著な違いがなかったことから、酸化膜の効果はその厚さではなく有無に依存すると考えられる。
日高 昭秀; 丸山 結; 上野 信吾*; 杉本 純
JAERI-Conf 99-005, p.49 - 55, 1999/07
米国NRCが開発した炉心損傷進展/熱水力詳細解析コードSCDAP/RELAP5の改良版であるSCDAPSIMコードを用いて、原研のALPHA計画で行った炉内デブリ冷却性に関する実験解析を行った。実験では、UOの代わりにテルミット反応で作成したAlO溶融物を飽和水を満たした下部ヘッド実験容器に落下させ、容器外表面温度を測定した。また、実験後に固化デブリと容器内壁間のギャップ幅を測定した。1mmの過熱蒸気のギャップ幅を仮定した計算は、容器外表面の最高温度を約500K過大評価し、ギャップに水が浸入したのが原因と考えられる実験初期の温度低下を再現できなかった。デブリ表面粗さを考慮した場合、容器外表面温度を若干低めに予測したが、依然として過大評価となった。ALPHA実験の予測精度を更に向上させるためには、熱物性を温度の関数として入力できるように変更し、ギャップへの水浸入をモデル化する必要がある。
山野 憲洋; 丸山 結; 森山 清史; 杉本 純
NEA/CSNI/R(96)24, 0, p.1 - 49, 1996/00
シビアアクシデント時に溶融炉心が圧力容器内で冷却されずに原子炉キャビティ等に落下すると、溶融炉心がコンクリートを分解侵食する恐れがある。この溶融炉心コンクリート相互作用を防止するために冷却水を注入することが考えられるが、その有効性は明らかではなく、逆に、大規模な水蒸気爆発に至る恐れもある。そこで、水の注入による溶融炉心の冷却可能性や水蒸気爆発について、知見の現状、不確実性、今後必要とされる研究をまとめるとともに、現時点での知見に基づいて最善と思われるアクシデントマネジメント手法についての提案を行った。
山野 憲洋; 丸山 結; 森山 清史; 工藤 保; H.S.Park*; 杉本 純
Proc. of 11th KAIF/KNS Annual Conf., 0, p.827 - 838, 1996/00
原研のALPHA計画では溶融炉心冷却材相互作用試験において、原子炉のシビアアクシデント時に溶融炉心と冷却材が接触した場合に起こる種々の相互作用について広範な研究を実施している。溶融物落下水蒸気爆発実験では、溶融炉心が冷却材中に落下した場合の水蒸気爆発の特性や種々のパラメータが水蒸気爆発の発生に与える影響について調べている。溶融物冷却性実験では、アクシデントマネジメントとして溶融炉心に冷却材を注入した場合を想定し、注水モードによる相互作用の違いを調べた。これらの研究から得られた成果は国のアクシデントマネジメントの検討等にも用いられている。新たにTMI-2号炉事故でみられたような圧力容器内底部に溜まった水中に溶融炉心が流れ込んだ場合の溶融炉心の冷却機構を調べる研究を開始した。これらの実験研究とともに、水蒸気爆発解析コードJASMINE等、計算モデルの開発も実施している。
杉本 純; 橋本 和一郎; 山野 憲洋; 丸山 結
日本原子力学会「原子炉格納容器信頼性実証試験に関する調査報告書,平成5年度」, 0, p.3 - 192, 1994/00
原子力学会では、平成3年度から3年間にわたり格納容器内熱流動挙動調査研究特別専門委員会を設置し、主としてシビアアクシデント時の格納容器内現象や新型格納容器に関する熱流動現象について調査研究を実施してきた。最終年度にあたる今年度に3年間の活動をまとめた報告書を作成することになり、著者らに原研で実施している研究を踏まえて関連分野について執筆するように要請があった。そこで、シビアアクシデント時の格納容器内熱流動挙動の概要、原研における水蒸気爆発実験、原研におけるデブリベッド冷却に関する実験と解析、原研における溶融炉心とコンクリート相互作用に関する実験と解析、格納容器フィルターベント、プールスクラビングの各項につき、ALPHA計画やソースターム評価試験(EPSI)、損傷炉心冷却性等の実験や解析で得られた知見をまとめた。
山野 憲洋; 杉本 純; 丸山 結; 早田 邦久
NUREG/CP-0127, 0, p.271 - 281, 1993/00
原子炉の炉心溶融事故時に発生する溶融物と冷却材の相互作用を調べるため、原研では事故時格納容器挙動試験(ALPHA)計画の中で、溶融物落下水蒸気爆発実験と溶融炉心冷却性実験を実施している。溶融物落下水蒸気爆発実験ではテルミット(アルミニウムと酸化鉄の混合物)を燃焼して高温溶融物を作り水プール中に落下させた。テルミットの量や雰囲気圧力が水蒸気爆発の発生に与える影響を調べるとともに、水蒸気爆発が発生した時には熱から機械的エネルギーへの変換効率を求めた。雰囲気圧力が高い時や分散板で落下溶融物を強制的に分散させた場合には水蒸気爆発の発生が抑制されるのがわかった。溶融炉心冷却性実験ではテルミットで模擬した溶融炉心に水をかけて水蒸気爆発の発生を調べるとともに、溶融物表面から上方の水プールへの熱除去量を評価した。いずれの実験でも生成したデブリの粒径分布等を調べた。
丸山 結; 阿部 豊; 三野 義孝*; 早田 邦久
JAERI-M 89-054, 142 Pages, 1989/05
軽水炉のシビアアクシデント時には、炉心構造物が粒子状になり圧力容器内にデブリベッドを形成する。デブリベッドからは崩壊熱の放出が続き、冷却が維持されない場合は事故の拡大を招くことになる。デブリベッドの冷却性を定量的に評価することは、シビアアクシデントの事故進展解析あるいは事故管理解析上、非常に重要な位置づけとなっており、原研も含め各国の機関で実験的研究が実施されている。シビアアクシデント時に形成されるデブリベッドの形状は複雑であることを考慮し、実験はできる限り幅広い実験範囲を網羅するよう進められている。本研究室ではこれまでに得られた実験結果を有効に利用し、今後の実験計画及び解析的研究に資することを目的に損傷炉心冷却挙動実験データベースを開発・整備した。本報告書はデータベースの概要、使用方法ならびに応用についてまとめたものである。
阿部 豊; 丸山 結; 三野 義孝*; 早田 邦久
JAERI-M 89-048, 58 Pages, 1989/05
TMI-2事故において見られたように、炉心冷却の低下により炉心が損傷するような事故が生じた場合、溶融した炉心と冷却材との相互作用により粒子状の推績物(デブリベット)が形成される可能性がある。このデブリベットは残留崩壊熱により発熱しており、万が一冷却が確保されなかった場合、再溶融から圧力容器の貫通に至る可能性がある。本報告書は、損傷炉心の冷却性を判定するための基準として、デブリベットがドライアウトする条件を予測するための解析手法を開発するとともに、国内外の実験データを用いて、作成した解析プログラムの性能評価を行った結果について報告するものである。
松本 俊慶; 川部 隆平; 杉山 智之; 丸山 結
no journal, ,
シビアアクシデント時の溶融炉心放出への対策として、格納容器下部への先行注水が検討されている。ジェット状に水中に落下する溶融炉心の冷却性評価手法の高度化のため、JASMINEコードの改良を行った。また、実験の解析を行い、高度化に必要な課題の検討を行った。
川部 隆平; 松本 俊慶; 杉山 智之; 丸山 結
no journal, ,
シビアアクシデント時に溶融炉心が格納容器の水プール中に落下する際の格納容器床面上における溶融炉心の拡がりと冷却挙動を評価するため、機構論的溶融炉心/冷却材相互作用解析コードJASMINEのモデルを改良し、スウェーデン王立工科大学において実施された高温溶融炉心模擬物の拡がりに係わるPULiMS実験を解析した。実験の観察結果及び測定結果との比較から、解析結果は拡がり面積を過大に評価する傾向が示されたが、水の冷却によって形成される上面クラスト、床面への放熱により形成される底面クラスト及び両クラストの間を移動する溶融物から成る三層構造で床面上を拡がる溶融炉心をモデル化した改良が妥当であることを確認した。
川部 隆平; 松本 俊慶; 安島 航平; 杉山 智之; 丸山 結
no journal, ,
MCCI防止対策の有効性評価において重要なパラメータである溶融炉心とコンクリートの界面面積を適切に評価するため、JASMINEコードの溶融炉心床上拡がりモデルを改良し、PULiMS実験及びBWR実機条件での解析に適用した。PULiMS実験結果との比較より、今回のモデルは径方向の拡がり速度を概ね再現できたが、水への伝熱を過小評価し、最終的な溶融物拡がり面積を過大評価する傾向があることが分かった。
城戸 健太朗
no journal, ,
シビアアクシデント(SA)時のソースターム(放射性物質の種類や放出量など)評価には不確かさが伴う。この不確かさの定量化及び低減を目的とし、SA時の重要現象に係るデータの取得、重要現象解析コードの開発、これらの成果を集約したSA総合解析コードTHALES2の改良を行うとともに、同コードを活用したソースターム評価技術の開発を進めている。個別トピックとして、代替統計モデルを用いたFP化学計算機能の導入、溶融炉心/冷却材相互作用解析コードJASMINEによる溶融炉心冷却性評価、福島第一原子力発電所(1F)原子炉建屋・格納容器内情報分析(OECD/ARC-F計画)を取り上げ、概要を紹介する。
菊池 航*; 秋葉 美幸*; 堀田 亮年*; Alexander, K.*; Walter, V.*; Sevostian, B.*; 松本 俊慶
no journal, ,
炉心溶融物の挙動について、圧力容器外へ放出され、プール水中で冷却されるまでの詳細過程を評価する解析コードを開発している。本コードの妥当性確認データを得るため、スウェーデン王立工科大学(KTH)にて3種類の実験(DEFOR-A, PULiMS、及びREMCOD)を実施している。本報告では、DEFOR-A及びPULiMSを対象とし、ジェット分裂及びメルトスプレッドにおける不確かさ要因を抽出した。
中村 博紀*; 柴田 明裕*; 早川 教*; 山野 秀将; 久保 重信
no journal, ,
3次元CFDコードと1次元デブリベッド評価モジュール(DBモジュール)のカップリングコードを用いて、コアキャッチャ上のデブリベッドの冷却性評価を実施し、長期安定冷却が達成できる見通しを得た。